WindowsにPHP開発環境を構成するとき、最も便利な方法はXAMPPパッケージをインストールする方法です。
ここでは、Windows7 に XAMPPパッケージをインストールする方法を示します。
XAMPP(ザンプ)とは
XAMPP(ザンプ)とは、ウェブアプリケーションを実行する際に必要となるフリーソフトをまとめたものです。apachefriends.orgから提供されています。
名前の由来はXAMPPそれぞれのアルファベットに意味があり、XはWindows、linux、Mac OSなどのクロスプラネットフォームを意味し、AはApache、MはMySQL、PはPHPとPealからきています。
XAMPPのインストール方法
今後、他の複数のバージョンもインストールして共存させる可能性があるため、ここではその前提で複数のXAMPP(ZIP版)をWindows にインストールする方法について書きます。
各バージョンのXAMPPをダウンロード
https://osdn.net/projects/xampp/releases/
OSはWindows7 32bit版 と 64bit版どちらを使用している場合も、上記URLから xampp-win32-5.6.24-1-VC11.zip を選び、ダウンロード後にダブルクリックで進めます。
ダウンロードした圧縮ファイルを解凍してリネーム
ダウンロードしたファイルを解凍すると xampp というフォルダができます。このフォルダ名を他のバージョンのxamppと区別するためにxampp-win32-5.6.24-1-VC11 に変更します。
各バージョンのXAMPPフォルダをローカル環境の任意のディレクトリに配置
以下を想定します。ここでは各バージョンのXAMPPフォルダを下記のEドライブに配置します。各自の状況に合わせたフォルダに配置してください。
シンボリックリンク
C:\xampp
各バージョンのXAMPPフォルダ
E:\appdata\xampp\xampp-win32-5.6.24-1-VC11
シンボリックリンクを作成
Windowsでシンボリックリンクを作ります(mklink)
スタート > すべてのプログラム > アクセサリ > コマンドプロンプトを右クリックし、
管理者実行でコマンドプロンプトを起動します。
mklinkコマンドのhelp(下記)に従い、入力します。
下記コマンドでシンボリックリンクを作成します。
$ mklink /D "C:\xampp" "E:\appdata\xampp\xampp-win32-5.6.24-1-VC11"
XAMPPの使い方
XAMPPコントロールパネルの起動
xampp-control.exe をダブルクリックしてXAMPPコントロールパネルを開きます。
最初の1回だけ、英語 or ドイツ語 の選択画面が開きます。英語にチェックが入っているので OK ボタンをクリックします。
「Apache」と「MySQL」の右側の「Start」をクリックしてそれぞれ起動させます。
終了させる時は「Stop」をクリックします。
xamppのバーチャルホスト設定
C:\xampp\apache\conf\httpd.conf
httpd.conf をエディタで開き、編集します。一番下に下記を記述します。
<VirtualHost *:80> DocumentRoot "E:\test.example.com" ServerName test.example.com <Directory "E:\test.example.com"> AllowOverride All Require all granted </Directory> </VirtualHost>
Windowsでのhostsファイル設定は「Hosts File Manager」を使うことで設定できます。
「Hosts File Manager」 はフリーウェアなので、まず検索してダウンロードしてください。
インストールが完了したら、「Hosts File Manager」を開きます。
ファイルメニューから「現在のHostsファイルを開く」を選択して下さい。
次は、編集から「レコードを追加」を選択して下さい。
「IPアドレス」「ホスト名」を入力します。
例) IPアドレス ホスト名
127.0.0.1 test.example.com
追加ができているのが確認できたら、ファイルから「上書き保存」を選択して下さい。
phpMyAdminの基礎と使い方
phpMyAdminとは
phpMyAdminとは、ブラウザ上でMySQLサーバを管理するソフトウェアです。簡単なマウスによる操作でMySQLの管理ができます。
XAMPPのインストール時にphpMyAdminも同時にインストールされています。
利用するにはまずXAMPPコントロールパネルを起動しApache及びMySQLが起動していることを確認して下さい。その後で、MySQLの行にある「Admin」ボタンをクリックして下さい
ブラウザが起動しphpMyAdminのログイン画面が表示されます。
phpMyAdminのログインに使用するユーザー名とパスワードは、MySQLの管理者アカウント(root)とパスワードを使用します(デフォルトではパスワードは設定されていません)。
ユーザー名とパスワードを入力し「実行」ボタンをクリックして下さい。
phpMyAdminが開いたら、「データベース」というタブを開きます。
データベース名に「books_db」入力、 utf8mb4_unicode_ci を選択して[作成]ボタンを押します。
※照合順序を何にするかは utf8-general-ci, utf8-unicode-ci, utf8mb4_unicode_ci などそれぞれ違い(下記)があるので開発チームの他メンバーと相談して入力してください。ここでは utf8mb4_unicode_ci を選択します。
utf8_general_ci アルファベットの大文字小文字は区別しない。他は全て区別。
utf8_unicode_ci 大文字小文字/全角半角を区別しない。
utf8mb4_unicode_ci 4バイト文字(絵文字)が対応可能。
テーブル作成
phpMyAdminで、次のデータを作成します。
id books_name price
1 HTML参考書 1500
2 CSS参考書 1600
3 PHP参考書 1700
新しいテーブルを作成するには作成するテーブル名とフィールド数を入力し、その後「実行」ボタンをクリックします。今回テーブル名は「books_table」、フィールド数は3としました。
phpMyAdminで作成するテーブルのidに「1、2、3…」のように自動作成される連番を割り当てたいときは、その列をAUTO_INCREMENT(連番)の列に設定します。
「books_table」という名前のテーブルの「id」という列に連番を割り振りたいときは、phpMyAdminでテーブルを作成する画面で、次のように設定します。
種別「int」を選択
インデックス 「primary」を選択
「A_I」(AUTO_INCREMENT)をチェック
テーブル作成で行えたのは、テーブル名「books_table」とカラム「id」「books_name」「price」の定義だけです。
カラムとデータ型
「データ型」とは、カラム(列)に保管するデータの種類です。
phpMyAdminの「種別」(カラム(列)のデータ型)の選択メニューで主なものは下記です。
数値「int」を選択 → データ番号、数量など
文字列「varchar」を選択して「長さ」に50などと入力 → 名前、タイトル、メルアドなど短い文字列
長い文字列「text」を選択 → ブログ記事本文、メール本文など長い文字列
日付「datetime」を選択 → 投稿日時、最終更新日時など
レコードの追加
次にレコード(データ)を追加します。レコードを追加するには、下記の「INSERT INTO」の構文を使います。
insert into テーブル名(カラム1, カラム2, ・・・) values(値1, 値2, ・・・);
books_table のレコードを追加する場合、SQLは次のようになります。
insert into books_table(id, books_name, price) values(1, 'HTML参考書', 1500); insert into books_table(id, books_name, price) values(2, 'CSS参考書', 1600); insert into books_table(id, books_name, price) values(3, 'PHP参考書', 1700);
phpMyAdminの「SQL」をクリックして、上記を入力後に「実行」をクリックでレコードの追加が出来ます。
※データベースの情報をファイルに書き出して保存することをダンプと呼びます。ダンプファイルが既にある場合、phpMyAdminの「インポート」をクリックし、ファイルを指定して実行すれば、レコードの追加作業は不要です。
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